浴室リフォーム
■ 2020/05/20
浴室をバリアフリーにする方法
高齢者の入浴には十分な注意が必要です。濡れた床に滑って転倒、浴槽をまたぐのに時間がかかる、温度差によって浴槽で失神など、浴室の中だけでもさまざまな不安があると思います。
そこで今回は、高齢者が入浴事故を起こす原因や安心して入浴できる方法について紹介します。誰もが快適に入浴できる方法を考えていきましょう。
浴室で事故が起こる原因
家庭内の事故は意外に多く、その中でも浴室・浴槽内での事故は後を絶ちません。
浴室はタイル床などがすべりやすい上、立ったり座ったりの動作や浴槽の出入りがあるため、転倒による事故が起こりがちです。
また、「ヒートショック(急激な温度変化によって、血圧が上がったり脈拍が速くなったりする症状)」は、失神、脳梗塞、心筋梗塞や不整脈などを引き起こし、湯船で溺れるなどの命に関わる場合があります。
場所別 バリアフリーリフォーム
①出入り口
年齢と共に足が上がりにくくなり、少しの段差でも転びやすくなります。扉を開けるという動作に集中するあまり、思いがけず転ぶこともありますので、しっかり対策をしましょう。
段差が大きい場合は、浴槽用すのこを置くようにしましょう。
すのこは濡れた状態で使用することを考えて、すべり止めが付いているものが望ましいです。
また、指を挟んだりひっかけて転んだりしないように隙間ができないように設置しましょう。
段差が小さい場合は、浴室の内外に手すりを設置する方法があります。設置する高さや形状によっても使い勝手は違いますので、いろいろと試してみることが大切です。
その他にも、扉を引き戸か折れ戸にする方法もおすすめです。
もし浴室内で事故が起きた場合、出入り口の扉が内開きだと外からの開閉が難しく、救出に時間がかかってしまう可能性があります。浴室内で倒れてしまった家族を救助しやすくするためにも、引き戸や折れ戸に変更することをおすすめします。
また、引き戸タイプであれば出入り口のスペースを広くとることができるので、車椅子での補助が必要な場合や浴室が狭い場合にも便利です。
②床材
昔の浴室に多いタイル床は、濡れていると滑りやすくなってしまいます。
また、タイル自体が硬いので転倒した際に骨折などの大きなケガにつながりやすく、冷気を感じやすい床面はヒートショックのリスクを高めてしまう可能性があります。
(参考画像:TOTO ほっカラリ床)
最近では、乾きやすく水はけの良い床材が増えています。転倒防止だけでなくヒートショック対策にも効果的な床材もあるので、目的に合わせて選ぶようにしましょう。
③浴槽
身体が不自由になると、浴槽をまたぐことも一苦労です。大きく足を広げたときに、バランスを崩して転倒してしまう場合があるので、浴槽は出入りがしやすいように工夫をしましょう。
一般的に出入りのしやすい浴槽の高さは、膝下の長さと同等程度が適切とされています。そのため、「半埋め込み式(浴槽の約3分の1を床に埋め込んだ設置方法)」にして、転倒などのリスクを減らしましょう。洗面器を置く台や、浴槽のふちに腰をかけられるスペースを設けることもおすすめです。
また、浴槽の高さだけではなく、またぐ際に掴まる部分 手すりを設置することも重要です。手すりが設置できる場所や手すりの種類もさまざまです。お風呂に入る時と出る時に合わせて、手すりを設置することが大切です。
浴室暖房乾燥機
脱衣所とお風呂場との温度差を小さくすることがヒートショック対策には効果的です。お風呂場を温めるときは浴室暖房乾燥機、脱衣所には床暖房やエアコンなどを設置するようにしましょう。
浴室暖房乾燥機は種類によって性能が変わります。衣類乾燥機能や涼風など、予算と目的のバランスを考えて選ぶようにしましょう。
まとめ
お風呂場にはいろいろな危険が潜んでいますが、対策をすれば怖いものはありません。誰もが楽しく快適に入浴するためにも、浴室のバリアフリーリフォームを考えてみませんか?