エクステリア
■ 2022/04/29
門まわりとアプローチの選び方
住まいの第一印象を決めるのが、門まわり。そして門から玄関へと導くアプローチは、まさに家の顔です。敷地条件や機能面から、門扉やアプローチを検討すると同時に、住む人の感性を表現するイメージやデザインへのこだわりも大切にしましょう。
今回は門まわり、アプローチのプランニングを検討する際に必要な知識をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
門扉の種類と材質、デザインパターン
アルミ形材門扉
溶かしたアルミを押し出して形成する直線を基調としたスタイリッシュなデザイン。
軽くて操作性の良い門扉です。
アルミ鋳物門扉
溶かしたアルミをデザインの形に流し込んで形成。
重厚感があり、意匠と色彩にもこだわりが息づく門扉です。
木粉入り樹脂門扉
耐候性のある木粉入り樹脂を採用。
天然木のように見えて美しい質感をいつまでも保つことができる門扉です。
門まわりのデザインパターン
オープンタイプ:明るく開放的な門まわり
オープンタイプは色とりどりの花鉢や植栽が似合う、明るく楽しげな門まわり。訪れる人を気軽に迎えることができます。
建物や玄関が外から見えるオープンタイプは、住んでいる人の雰囲気がよく現れるものです。階段やアプローチを曲線にしたり、スモールガーデンを作ったり、シンボルツリーを植えたりと、ちょっとした工夫で素敵な空間になります。
また、門扉がないので開け閉めの必要がなく、車庫からすぐに玄関へ行けるなど、オープンタイプはとても暮らしやすいです。生活する上で必要なポスト、インターホン、表札などは、門柱に集約すればまとまりがでます。
さらに、住宅事情にもマッチするところが魅力です。最近の住宅事情では、一戸建てでも30~40坪以下のケースが増えてきて、敷地面積いっぱいに建物も建てることも多くなってきました。
こういうケースでは、門や塀を作ると圧迫感があり、日当りや風通しも悪くなってしまいます。さらに新築では、床を高くする傾向にあります。
そのため、玄関と道路の間のスペースがほとんどなく、高低差が大きくなってしまいます。このような場合も、オープンタイプにして、階段や植栽で工夫すれば、素敵な門まわりになります。
セミクローズドタイプ:門扉があっても明るい門まわり
最近は、セミクローズタイプが人気です。
セミクローズタイプでは、門扉やフェンスをつけることが多いのでプライバシー保護や防犯に優れています。また、エクステリアの素材次第で、十分に美しい外観を保つことができます。
その際は、『ここからは「私の家」という意思表示』をすることが大切です。例えば、玄関の前に手すりをつけたり、目隠しの門袖を立てたり、低い植栽を植えたりして、敷地の境界を示しています。ちょっとしたことですが、こうした仕切りがあると、他人はなかなか入って来れないものです。
門扉を選ぶ時は、中が見えないような目隠し扉ではなく、シンプルで見通しが良く飽きのこない商品を選んで、開放感を保つことも必要です。また、門扉を支える門袖も背の高いものではなく、低いものやランダムになっているデザインが人気です門袖を塗り壁にしたり、枕木で作ったりとオシャレに仕上げるデザインはとても豊富です。
フェンスも圧迫感のあるブロック塀などよりも、ウッドフェンスやレンガなどの自然素材がおすすめです。
クローズドタイプ:プライバシー重視の門まわり
クローズドタイプでは、高いフェンスを設置することが多いので、目隠しや防犯、暴風に有効で、プライバシーの保護には最適なスタイルです。
重厚な門扉、門柱が高くて長い塀に続くということは、統一的な素材の使い方で、デザインの美しさを表現できます。しかし、高い塀を作ると日陰の部分が多くなり、風通しが悪くなることがあります。敷地が広い場合はあまり問題になりませんが、敷地が狭い場合は要注意です。
また、高いブロック塀などを作ると、玄関スペースや通路が狭くなって、日当りや風通しの悪いデッドスペースが多くなってしまいます。条件を良く考えてデザインを決めましょう。
クローズドタイプは多くの素材を使い、手間もかかるものなので、オープンやセミクローズに比べて見積もりは高くなりがちです。少しでも費用を抑えるには、部分的に比較的安い素材を使うことです。
例えば、全部ブロックにするのではなく、スチールフェンスで代用したり、スリットを入れたりすることです。ワンポイントのアクセントがあった方が、デザイン的には面白くなります。
視線を遮る門塀まわり。一方で閉鎖感をやわらげ、センスの良さを感じさせる演出も大切です。
アプローチと門まわりの寸法を検討しましょう
①門扉の高さは、門柱の上に門扉の柱が出ない高さ、約15cm位低くすると、バランスの良い門まわりになります。
②敷地と道路に高低差のある場合は、階段の2段目に門扉を設けると、バランスがよくなります。
③内踊り場の奥行きは1.2m以上あることが必要です。門扉を直角に開いた状態で、人が通れるスペースがとれれば、さらに使いやすくなるでしょう。
④アプローチに階段が必要な場合は、踏面は30cm以上、蹴上げは20cm以下に抑えます。
⑤前面の踊り場は、事故を防ぐためにも、道路から、少なくとも60cm以上の奥行きをもたせることが必要です。
また、このくらいの距離があると門まわりにゆとりが生まれます。
まとめ
玄関アプローチは、家族や来客や道行く人に家の雰囲気を印象付ける重要なものです。
デザイン性にこだわるのはもちろん、それだけではなく機能性や防犯性などもしっかり兼ね備えたいですよね。
今回ご紹介した門や門まわりのデザインパターンを参考にして、素敵な玄関アプローチをつくってください。